JR西日本は地域のバス会社等との連携により、芸備線エリアで利用できるおトクなきっぷやデジタルパスを期間限定で発売します。
JR西日本が運営する瀬戸内エリアの観光型MaaS(Mobility as a Service)「setowa」では、三次や庄原など広島県北部エリアをおトクに周遊できる「setowa 広島備北パス」の発売が2021年11月6日(土)から開始します。芸備線の広島駅〜東城駅間、備北交通(広島県庄原市)の高速バス(庄原駅〜東城駅間)および路線バス(三次・庄原・東城エリア)が2日間乗り放題となるほか、観光施設「三次もののけミュージアム(湯本豪一記念日本妖怪博物館)」の入館料も含まれています。
そのほか、「国営備北丘陵公園」の入場料や、備後庄原駅・三次駅のレンタサイクル料金の割引特典も利用することができます(周遊エリアの路線図は下図を参照)。
おねだんは大人2,800円・小児1,400円です。利用期間は11月13日(土)〜2022年1月1日(土・祝)(2021年12月31日(金)利用開始分まで)で、利用開始日1か月前10:00から当日まで発売されます。「setowa」はスマートフォンアプリのほか、スマートフォン用Webサイトでも利用できます。旅の予約やチケット利用がキャッシュレス・チケットレスで行うことができ、スタッフとの接触機会を減らしながら安心して旅行できるとしています。なお、JR西日本ネット予約「e5489」や駅のみどりの窓口での発売はありません。
JR西日本は2021年6月に広島県、庄原市などに「芸備線沿線の地域公共交通計画に関する申入れ」を行い、これに基づく検討会議を踏まえてさまざまな取り組みを始めています。10月から土休日に芸備線で臨時列車の運転を行っており、今回の「setowa 広島備北パス」でも地域の魅力を発信しながら芸備線の利用促進を目指しています。
一方、備北交通は広島電鉄(広島市)、JR西日本と共同で、広島駅〜三次駅間をおトクに往復できる「バス&レール どっちも割きっぷ」を発売します。備北交通・広島電鉄が共同運行する高速乗合バス(広島駅新幹線口〜三次駅前・三次たび館間)と、JR芸備線の列車(広島駅〜三次駅間)の乗車券が各1枚セットになっており、必ず1回ずつ利用するタイプの往復乗車券です。三次市からの支援を受けて1,500円(大人用のみ)で発売され、高速バスとJRを各片道利用した場合の通常運賃(計2,870円)と比べて1,370円割安になります(詳細は上表を参照)。
発売期間は2021年11月13日(土)〜2022年3月31日(木)で、各乗車券は発売期間中1回有効です。広島側の発売箇所はJR広島駅新幹線口1階の交通案内所(バスきっぷうりば)と、広島電鉄の広島駅営業センター・紙屋町定期券窓口です。三次側では三次駅前の三次市交通観光センター交通案内窓口で発売されます。購入者特典として、広島発売分には三次市内で利用できるタクシー利用券300円分、三次発売分には三次駅西駐車場の300円割引券が付いています。
備北交通は、広島〜三次間で競合する高速バスと芸備線ですが、共通きっぷの発売により利用できる便数が増え便利になるとしています。備北交通は、同社とJR西日本のいずれかの通学定期券をお持ちの方を対象に庄原または三次市内中心部の路線バスを乗り放題とする「ちょこっとパス」を2021年4月から発売しています。今回の「バス&レール どっちも割きっぷ」はJR西日本とのコラボレーション企画第2弾となります。